誰もが知らぬ間に年をとる

この2024年9月。
日本にとって最も大きな意味をもつ出来事は、9月27日(金)に行われた自民党総裁選ではなかったでしょうか。

私はこの日、新宿にあるオフィスで普通に仕事をしていましたが、午後15時半くらいにスマホのプッシュ通知で「新総裁 石破茂氏に決定」といった速報が送られてきたのを見て、「お!」と思いました。

その日のその時刻は、なにしろ仕事中で、一時投票の結果も、上位2名の決選投票になった経緯さえも知らなかったのですが、スマホプッシュ通知で「おお、日本はこれから(あの)石破さんの政権で動いていくのか」と感慨深く思った次第です。

もともと自民党に何か大きな期待を抱いているものではありません(とここで、私の政治的スタンスを明らかにしてしまいます(^^);)
しかし、こと、石破さんについては、【いままで、自民党の中で、もっとも自民党らしからぬ(≒ 安部政権にもっとも距離を置いていた)人】というイメージで見ていたので、その人が、日本の次期総理大臣になるのかと思うと、大きな(ポジティブな意味を含めて)違和感を抱いたというのが正直な感想です。

少なくとも、今回 総裁選に立候補していた9人の人のうちで、【もっとも自民党が大きく変わる感】を感じさせるのはこの人しかいないだろう、とは思っていました。

(その点においては、高市候補に軍配があがらなかったのは、私にとっては歓迎すべきことでした ←とここでも、私の政治的見解を明らかにしてしまいます (^^);)

このコラム原稿を書いている時点では、石破新総裁がまさに組閣~人事検討に着手し始めたばかりなので、今後どうなるかは予断を許しませんが、憲政史上最長と言われる安倍政権の 影響を(9人いた候補者のなかでは)最も消し去ってくれる人であるような気はしています。

(そう私は、かつて こういったコラム や こんなコラム でも記していたように安部政権およびその流れを汲む政権の姿勢が、好きではなかったのです)

…などと、政治的な気持ちも少しは抱きつつも、今回の総裁選で私が「最も気になった」のは、もっと全然 別のところでした。

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総裁選の告示(2023/9/12)で、9人の候補者が出そろった時点で、私はその顔ぶれが気になってしかたがありませんでした。

実際の選挙の得票順で並べると…(以下敬称略)

・石破茂   154票→215票
・高市早苗  181票→194票
・小泉新次郎 136票
・林芳正   65票
・小林鷹之  60票
・茂木敏充  47票
・上川陽子  40票
・河野太郎  30票
・加藤勝信  22票

(これは、開票後の得票順位で並べてみました。決選投票になった石破氏と高市氏以外は当然 一次投票の票数のみです)

これを、ちょっとべつの順に並べ替えてみます。

・上川陽子 (71)
・茂木敏充 (68)
・加藤勝信 (68)
・石破茂  (67)

・高市早苗 (63)
・林芳正  (63)
・河野太郎 (61)
・小林鷹之 (49)
・小泉新次郎(43)

カッコの中の数字は、各人の 年齢。
私が気になったのは、9人の“総理大臣候補者”のうち、半分以上は、私自身より 年下 だったということでした。
(私は当サイトのプロフィール欄でも明記している通り、1960年生まれなので、そういうことになります)

国の総理大臣候補が年下、というのは、私にとっては結構インパクトの大きい気づきでした。

ちなみに現職の岸田文雄さん67歳。年上とわかって、ややホッとするところです。

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ご存じのように、日本という国では、40歳になっても、50歳になっても、それ以上のいくつになっても

学年でいうと同じだね」 とか

学年で言ったらいっこ下」とか

小・中・高校の 学年 で換算して世間話をする、稀有な風習のある国です。

最近ではそうでもないだろうとは思いますが、少なくとも昭和の昔には、初対面で互いに敬語で話をし始めていたものが、お互いの年齢がわかると「年上の人間が年下の人間に対して急にぞんざいな言葉遣いになる」といった文化もありました。

(タメ口で話していた二人が、歳の上下がわかったとたんに、下の人間が年上に対して敬語で話をし始めるようなケースもありました、よ、ね)

ネット検索などで調べると、それは「儒教の影響」などとも記されていますが、儒教のジュの字も、仏教のブの字もかじったことがない人もそうした文化にされているのはまさに稀有なことではあるかと思います。

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ただ、私が今回、「総理大臣候補者の半分以上が年下」で感じ入ったのは、儒教の影響などではなく、昔からよく言われている「自分がいつの間にか年を取っていた」ということにショックを受けたからにほかなりません。

これは、人生の どのステージにいる人間にも常に付きまとう ショック だと考えられます。

人生の比較的初期(比較的ヤングな世代の時)に感じる そうしたショックの一例が

●甲子園に出場している高校球児が、気が付いたらみんな年下だった

というのがあると思います。
同じようなステージにおけるショックが

●テレビやライブに出ているアイドルが、気が付いたらみんな年下

というのもあります。

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同じように、もう少し別アングルの例を挙げると

●オリンピックに出ている選手が、気が付くとみんな年下
●プロ野球選手が、気が付くとみんな年下
●大相撲のお相撲さんがみんな年下

というのもあります。

なかでも

●横綱が、年下

というのも、結構ショックに感じるものでしょう。

さらに人生ステージが進むと

●ニュースやテレビ番組で出ていた学校の教師や警察官が、年下
(プロ野球選手ではなく)プロ野球の監督が、年下
●若手芸人をイジっているベテラン芸人が、年下

という 症例 も出てきます。

「ベテラン芸人が年下」とほぼ同意義なものに

●笑点の大喜利メンバーが、年下

というものもあるでしょう。

そこからさらにステージが進んでいるのが、冒頭の例で挙げた 私のショックです。

●地元の議員が、年下
●内閣の大臣が、年下
●首相や大統領が、年下

という 政治家路線 ですね。

また別のアングルで

●自分の父親や母親が、年下になっていた

というのもあるかもしれません。(もちろん、お父さんやお母さんがお亡くなりになった年齢のことです)

人間と言うのは、いつどのライフステージにおいても同じことでショックを受けている。

10代の人間は、10代なりに。
20代の人間は、20代なりに。
そして、
30代を超えた人間は、いっそう強く「自分の年齢」を意識するようになる。
40代50代の人間は、世の中での自分の価値を比べながら、やはり悲観的な気持ちになり
60代を過ぎると一層、社会的な【60歳の壁】【65歳の壁】を思い知ることになる。

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これらの
ええええぇぇ… なぜ、自分の周りで いつの間にかがこんなに 年下 が増えているのぉぉ?!?!
というショックは、つまりは「自分が意識しないうちに、どんどん年寄りになっている」という現象であるわけです。

年をとるスピード自体はそうそう変わっているはずはないので、これは、とりもなさず「自分がそれだけ、ぼぉーーとして認識しないでいた時間が長かった」という解釈にもつながります。

いつの間にか年を取っている浦島太郎伝説

浦島太郎さんが瞬時に白髭白髪の老人になるのも、竜宮城で長い時間をぼぉーーとして過ごしていたから、という解釈ができますよね

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少年老い易く学なり難し

という故事もほぼ同じ状況を(より若年層のライフステージに寄った形で)指し示したものだと思えますが、私は、その実態を、【自分が総理大臣と同年代もしくは年上】になってしまった今時点で、痛感しているという、まことに情けない状態ではあります。

いささか遅きに失してはいますが、せめてこれからは ぼぉ〜〜〜とした生き方をしないようにしようか、な。などと思いを寄せたこの9月です。

人間、過去は変えられないけど、未来は変えられる、などという言葉もありますし、ね。(^_^;