近頃は何か知りたいときに(いままでのようにGoogle先生に聞くのでなく)生成AI ー具体的にはChatGPTー に話しかけて調べる機会が多くなってきました。
ドラマで見て気になった女優さん(もとい「俳優」さん)のことを調べるときなどは、まだまだGoogleの方が手軽。
でも たとえばPCの具合が悪くなったとき。
「GWSがうまく動かない」
「スプレッドシートの設定がバグってる」
「訳の分からないエラーコードが出た」
…などというときに、以前ならまずGoogleで検索して、長い長い文章をひたすらスクロールして対応策を探していました。
でも今は生成AIに「これどうすればいい?」と尋ねる。すると、すぐに答えを教えてくれるのが便利です。
ターミナル(管理者)で以下のコマンド実行:
net stop wuauserv
net stop bits
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start bits
…などと、管理者モードで実行すべきコマンドまで、ズバッと返ってくる。
もちろん、そのまま信じるかどうかは私たちのリテラシー次第だけど、AI時代の情報収集のパートナーとして、生成AIの存在感は確実に高まってきました。
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で、その生成AIを使っていて、気づいたことがあります。
それは
「とにかく まず褒めてから答え始める」という習慣。
質問を投げかけたとき、その質問をとてもポジティブに受け止めた ひとこと をアタマにつけてから説明してくれるのです。
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ここ数カ月で私が投げかけた 他愛のない質問 と それに対する生成AIの「第一声」 を並べてみます。
「輪ゴムを作るとき、どうやってあの形にするの?」
「それはいい質問だね!」
「iPhoneのSMSはフキダシが緑で、一通ごとに料金がかかるけど、これを青いフキダシのIMessageにしてもらうには?」
「めっちゃわかりやすく言うね!」
「iPhoneの設定のなかで「メッセージ」の項目が見えないんだけど、別の項目の先にある?」
「いいところに気づいたね!」
「噛む力が強いスポーツ選手は、瞬発力に優れている?」
「おっ、いい視点!」
「噛む力と持久力の関係はある?」
「いいとこ突くね!」
「ニワトリは 卵を温める時 全体重を卵にかけている?」
「おお、そこを気にするとはなかなか観察眼するどい!」
「体重はタマゴに乗っているの? 足で支えてるの?」
「めちゃくちゃいい質問!」
「グリーンバックで撮影するときに、もっとも映える服の色は、赤い色?」
「いいところに目をつけました!」
他にも山ほど例を挙げることが出来るが、要はまずこちらが投げた質問へ ヨイショともいえるようポジティブな言葉から始めるんです。
これは、持ち上げられた人間の側はたまらない。
否が応でも、気分がよくなってしまう。
これはAI時代の新しい「接客トーク」です。
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つまり、ChatGPTは ただの情報提供マシンじゃない。
人の気持ちをやんわり持ち上げてから、スムーズに説明に入る──ある意味、「太鼓持ち(幇間)」のスキルを見事に身につけているわけです。
太鼓持ちという昭和チック(正確には江戸チック)な言葉が分からない方には、こちらのサイトをどうぞご参照ください。

ChatGPTに 太鼓持ちイメージを描いてと注文したらこうなりました
もちろん、「太鼓持ち」には「おべっか」「ごますり」みたいなネガティブな印象もつきまといます。
しかし、「場の空気を和ませ、相手の気分をよくさせる」という点では、極めて高度なコミュニケーション技術です。
生成AIの「ポジティブ第一声」も、まさにそうした文脈でとらえると納得がいきます。
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この仕掛け、誰が考えたんでしょうね?
生成AIが勝手に学習して、自然と「褒めることが正解だ」と気づいた……とも考えにくい。
おそらく、OpenAI社のどこかに、人の心のひだに敏感な「気の利いた誰か」がいて、設計段階から組み込んだのでしょう。
いわば、AI時代のホスピタリティ・デザイン。
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実は先日、その「ポジティブ第一声」の重要性を、ある現実の場面で体感しました。
それは、私が所有しているマンションで開かれた、管理組合の総会です。
そういう場に出席したことのある方ならすぐに思い浮かべてもらえると思いますが、そこには管理会社の担当営業者が同席していて、管理規約の変更や管理費の値上げといった、住民にとってはナーバスな議題を展開していました。
当然、出てくる質問は厳しいものばかり。
「それって本当に必要?」「なぜ今やるの?」「それはちょっと納得できないなぁ」
でも、その営業担当者は、どんな質問にもまず
「はい、よいご質問をありがとうございます」
……という言葉から始め、議論を真正面からポジティブに受け止める姿勢を崩さなかった。
「ありがとうございます」はなかなか言える言葉ではないと思いつつ、私は、彼のコミュニケーション技術の高さに感心をして聴いていたものでした。
(総会に参加していた他の住居者の人たちはそこまで気づいていたかどうかは不明ですが ←だって管理組合費の値上げは十分にショックな議題だったので)
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ネガティブな言葉をポジティブに言い換えて聞く人の心を捉える。
これは、これからのAIの時代にも変わらない、重要な技術です。
言葉の選び方ひとつで、人の心の扉が開く。あるいは閉じる。
これはコピーライティングの真髄だと言ってもいい。と私自身は強く確信しています。
こうした「ポジティブワード」の言い換え術は、実はビジネス現場では昔から使われてきたものでした。
ネット上でもビジネスの推進やマネジメントにおいて、そのテクニックを紹介するサイトはたくさんあります。 ここ とか ここ とか ここ とか。
AI時代になって、私たちは「人間らしさとは何か」を、逆説的にAIに教えられているような気がしました。
相手の言葉を肯定すること。
いい質問ですねとまず言うこと。
それだけで、人は心を開く。
そんなシンプルで根源的な真理を、生成AIの「第一声」が思い出せてくれた気がします。
ビジネスマナー的にどうしたこうした、と “小難しいマニュアル” のように考えなくても、「相手の言葉を受け応える第一声にポジティブな言葉(別名:ヨイショ言葉)」を入れるテクニックは、すぐにでも取り入れるべきのような気がしました。
*一年半前に公開したこちらのコラムで「なんか、ChatGPTとかいう奴が出てきやがってぜ」などとちょっと違和感持ちながら書いていた「奴」にこんなふうに学びをもらうとは思ってもいませんでしたよ、ほんと(^^)