50年前に戻るという進化?

9月に入って、気候がいきなり秋になりました。
予報を見ると9月の末にまた暑さが一時ぶり返すようなアナウンスもされていますが、それでも夏は終わった感は、満載です。
先月まで昼間に賑々しく鳴いていたセミの声がいつの間にか聞こえなくなり、夜になれば家の周りはスズムシやコオロギの合唱に包まれるようになってますし、コンビニのレジ前ではしっかりとおでんが煮えているようになりました。

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その「コンビニのおでん」を巡って、つい先日に気になるニュースが報じられていました。

大手コンビニ(とNHKのニュースでは店名を伏せていましたがローソンです)が
プラスチック容器の消費量削減のために、鍋持参で買いに来た人に割引サービスを試験導入
というニュースです。

テレビのニュース画面では、番組スタッフがフタ付きの鍋を両手にもって店内のレジカウンターを訪れ、それを受け取った店員がおでんネタを鍋の中に入れていく様子が映し出されていました。

その映像を見た、スタジオのキャスターが
「これは、新しいですね」「いいですね」
などと言い合いながら反応をしていましたが、私が気になったのは
いや、これは別に新しくはないよね」という点でした。

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これを言い出すと年寄りの昔話のようになりますが、この景色(鍋等を持って食品を買いに行く姿)は、昭和の時代には当たり前だった時期がありました。

その時代には、店へ手ぶらで買いにいって、買ったものを袋に入れてもらって帰る、といった文化はなかったのです。

みんな、籐などで編んだ買い物かごを手に提げて持って行って、買ったものはそれに入れて持ち帰っていました。
この「籐などで編んだ買い物かご」を、思い浮かべることができる人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
権利的に問題のない画像で、わかりやすいものがあったので掲示させていただきます。

エコ問題解決の買い物かご

画像の右奥が当時買い物の時に誰もが持参した「買い物かご」ですね

寅さん映画の『男はつらいよ』で、寅さんの妹のさくらさんは、間違いなくこの買い物かごを持って柴又の街を歩いていました。
サザエさんも、たしかにこの種の買い物かごを、つねに持ち歩いて世田谷の街へ買い物に出かけていました。

サザエさんも買い物かごでエコ問題解決(こちらは権利処理できていないので、部分的な画像をこっそりと掲示します。問題のご指摘をいただきましたら削除します)

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昭和のなかでも、もう少し時代が下るとスーパーなどで買い物をすると茶色いクラフト紙の袋に入れてくれるようになりました。
そして、それがおなじみの「ポリエチレン製レジ袋」に置き換わり、あっという間に「買い物に行ったらレジ袋をタダでもらってそれに入れて持ち帰るのが当たり前の時代」が始まったわけです。

その「当たり前のレジ袋」がいつのまにか悪者になって、昨2020年の7月1日から全国一斉に「無料で配ってはイカン」「有料にして、せめて使用量を減らすようにせよ」ということになったのは、みなさま、記憶に新しいところでしょう。

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「レジ袋」がこの日本のマーケットに“まん延”し始めたのは、wikipediaによると「1970年頃」が始まりであると記してありました。

1970年代といえば、日本にコンビニエンスストアというものが初めて登場し、人々の消費生活スタイルが劇的に変わり始めた時期です。
(ちなみに、上記のサザエさんの漫画も昭和45年(1970年)の11月に刊行された単行本のものです。コンビニやレジ袋がまだサザエさんのご近所に普及し始める直前の時代の描写ですね)

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そう考えると、私たちは1970年から、(レジ袋有料化が実効化される)2020年まで50年間、レジ袋を「当たり前」のものとして扱う生活をしていたことになります。(それはいわば日本固有の文化であるということもWEB記事を見て学びました)

50年前まで、私たちは
「買い物かごを持って買い物に行く」
「八百屋さんへ行ったら、野菜をハダカで売ってもらって、それを買い物かごに入れて持ち帰る」
「肉屋さんへ行ったら、肉を防水紙や経木(木を薄く削って紙状にしたもの)に包んでもらって、それを買い物かごに入れて持ち帰る」
「寅さんのお店でお団子を買ったら、紙に包んでもらったお団子を買い物かごに入れて持って帰る」
「お豆腐は、自転車で豆腐を売りに来る豆腐屋さんが来たら、鍋を持って買いに行く」
「飲み物は瓶で売っているのを買って、空き瓶はお店に返していた(ビールも、サイダーも、醤油も、プラッシーも)」
「ちなみにプラッシーはお米屋さんが配達してくれていた」
…というのが「当たり前」でした。

「発泡トレイ」も「PETボトル」も含め、プラスチック製品は流通経路のどこにも存在しない状態だったわけです。

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2020年7月からレジ袋は有料化されて「極力使わないようにしましょうね扱い」となりました。
その主旨は
「プラスチック製品は自然分解せず、ゴミが半永久的に残る」
「そのゴミは地球環境に化学的・物理的な負担を与える」
「カメやイルカなどの海洋生物もプラスチックゴミで命を落としている」
…というSDGs的理由によるものです。

が、そのレジ袋は廃プラチック全体のなかで、わずか2%にしかならない。(出典:総務省資料
レジ袋をやめるだけでは廃プラスチックを減らす上では焼け石に水。
レジ袋をやめただけでは脱プラスチックはどうにもならない。

そういった意味で、今回ローソンが「おでんは鍋持参で買いましょうテストキャンペーン」を始めたということになります。

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そこで、私が思い至ったのは、レジ袋に限らず、生活様式( ≒ 流通のスタイル)を50年前に戻してはどうか、ということです。

1970年代に、日本の人々はそれで不自由なく生活をしていました。
2020年代の今、それをもう一度することはできないはずはないと思います。

人口規模が違う? だから50年前に戻ることはできない?

そんなことはないはずです。
人口を調べてみました。
1970年(昭和45年)の人口は、約1億人(正確には1億372万人)(出典:昭和45年国勢調査)。
今の日本の人口 1億2530万人(出典:2021年8月概算の人口推計)とそんなに変わりません。
しかも、その人口は今後、どんどん減っていく傾向にあります。

経済規模(GDPなど)は1970年当時と今とでは、なかなか規模が異なりますが、
“経済を縮小することはできない”
“日本は、世界は伸び続けなければならない”
という発想が、いまの環境問題の根源となって廃プラスチック問題を引き起こしていることを考えると、【元に戻る選択】を除外することは無いようにも思えます。

ローソンの「鍋をもっておでんを買いに行く」は、その【元に戻って先へ進む】選択肢のひとつではないか。
オリンピックも終わったし、パラリンピックも終わった今、改めて、落ち着いて、そういうことに目を向けるのはどうでしょうか。

50年戻って、先の未来へ行く。
別の意味での、Back to the Future.

どうでしょうか。
できないでしょうか、ね。