前回、北京オリンピック冬季大会のことを話題にして、コラムを掲載しました。
それからあっという間に日数が流れて、気がついたら3月初頭に北京パラリンピック冬季大会が開会して、3月13日には早くも閉会してしまいました。
オリンピック(17日間)に比べて、パラリンピックの会期(10日間)のなんと短いことか。
昨年の東京オリ・パラの際にもコラムに同様なことを書きましたが、
「オリに比べて、パラは地味になりがち」
「オリがメインで、パラはサブ」
…といった印象が、2022の北京大会でまたしても感じてしまったところです。
会期の日数のみならず、今回の北京パラリンピックが、あまり賑々しく頭の中にはいってこなかった “歴史的に大きな理由” がもうひとつありました。
パラリンピック開会式が行われる直前、2月24日に突然始められてしまった【戦争】です。
この世界には、これを戦争と呼ぶこともしなければ、そういう報道が行われることさえも許さない ごく一部の人 がいるようです。
しかし、「そういう人」がなんと主張しようとも、これは【間違いなく戦争】です。
“戦争の世紀”と呼ばれる20世紀(1901〜2000)を経て、人類は、戦争の愚かさと哀しさを十分に学習して、2001年からの21世紀を迎えていた。…と私は思っていたのですが、その21世紀に、愚行といえる大量虐殺をここまでぬけぬけと実現させてしまう国や人が居たとは、想像もしませんでした。
この戦争のニュースが連日伝えられる中で、中国が、北京が全力を賭けて成功させようと努力していたパラリンピックの光の部分は、どうにも私の目に入りにくくなってしまいました。
連日、テレビで、欠かさず見てはいたんです。
開会式も全部見ていて「選手がただ一人しか出ない国」がたくさんあったことも見ていたし、
中国は96人、米国は65人の選手が出場していた(←やはりオリンピックに比べるとケタ違いに少ない…)のもみていました。
また開会式のその翌日に、いきなり村岡桃佳選手がいきなり金メダルを獲ったニュースには腰を抜かしたし、
さらにその翌日(開会式の翌々日)に、同じ村岡選手が金メダルをもうひとつ獲ったのは目を疑ったし、
(そしてもちろん森井大輝選手が連続してメダルを獲得したのもチェックしてるし)
連日、ウクライナ代表選手達が表彰台を独占していた状況も見ていたし、
閉会式も見ていました。
でも、2020東京パラを見ていたとき(当欄で、こんなコラムを書いたとき)のように、気持ちになにかが織り込まれる感触を感じることはできなくなってしまっていたんです。
ある種の虚しさを感じてしまった、と言うか、北京と地続きの大陸の反対側で起きている大きな 闇 に気をのまれてしまったというか、世界が/地球の上がこんなになっているのを、ただ眺めて、憤っていることしかできない自分の状況が辛くなってしまった、と言うか。
あるいは開会式や閉会式で、IPCのアンドリュー・パーソンズ会長がわざわざ声を大にして「PEACE!」と叫ばなければならない状況自体に、哀しくなってしまったとか…。
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その方向で自分の考えをいくらまとめようとしてもまったく埒があかない状態になってしまったので、今回は、視点をずらして「世界を救う、また別のこと」で気がついたことを書き記すことにしました。
それは、これです。
よく見たらマルコメ株式会社製でした。さすが世界に誇る日本の大豆製品会社。
大豆ミート。
(ロシア – ウクライナ問題からあまりに俗で日常的な話題に移ることは、どうか、ツッコまないでください)
でも、世界にもたらされる大きな問題への対策として、決してバカにならない(と議論されている)選択肢であることは、どうやら間違いなさそうです。
どんなサイト(こことか、こことか、こことか)を見ても、それはフェイクではない事実として語られている(ように見えます)
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大豆ミートが「世界を救う」とされる論点は2つ。
ひとつは「タンパク質クライシス」、
もうひとつが「地球温暖化」、です。
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前者の「タンパク質クライシス」は、世界の人口が今後爆発的に増えるうえで、人間の身体を維持するために必要な食料(のうちの、特にタンパク質食材)の供給が追いつかなくなるということ。
それだけの人数の人間が食べる量と、畜産による肉の生産量が合わなくなることのみならず、家畜を育てるための穀物が世界の気候変動の影響も受けて、量が足りなくなる問題がすでに生じつつあるとのことです。
昆虫食の時代が来る、などといった議論もありますが、一方、植物由来のタンパク質を摂取することで課題を解決することも重視されているようです。
飼料穀物を育てて、家畜を育てて肉を得るより、植物そのものからタンパク質食材を生産する方が効率がよいという話です。
そもそも、世界人口の爆発的増加と言われても、人口縮小で人手不足や生産力不足が国家的課題になっている我が日本国ではあまりピンときませんが、日本のようなガラパゴス国家(←おかしな表現)を除くと、世界は、数が増える方の人口難になっているのは間違いのない事だそうです。
あのロシアもさすがに、これはフェイクだと主張はしないでしょう。
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後者の「地球温暖化」で注目されているのが、「肉用の家畜、特に牛を育てる上で生じる温室効果ガスが問題視」されているという点です。
これも、私のような者からすると「フェイクではないか」という第一印象を感じてしまいますが、大量に育成される牛の胃から発生されるゲップが、地球を温暖化するものとしてバカにならない、とされているようです。
この説がフェイクではなさそうだと信じうる情報の一つが、日本国の農林水産省のサイト内に格納されている、この議事録資料 です。
我が国全体の温室効果ガスの総排出量約13億トン(CO2換算)のうち……農林水産分野の内訳では……家畜の消化管内発酵(反すう動物のげっぷ)由来のメタンが約15%
…と記されています。
げっぷだけでなく、排泄物に由来するメタンガスも発生しており、その総量はバカにならないとのこと。
これも一応(日本の官公庁が国内に向けて発信している情報として)“フェイクではないだろう”と思ってよいのではないかと判断されます)
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15%です。
折しも、2020東京パラリンピックや、2022北京パラリンピックでも発信された世界的人権運動キャンペーン・ハッシュタグの「#weThe15」と同じ比率です。
(こんなところで、比較対象に出してしまっていいのかな、という懸念もありますが「15%」が共通していることは事実です)
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ともあれ、大豆ミートが「タンパク質クライシス」と「地球温暖化」を回避する貴重なキーアイテムであることは、間違いはなさそうだと確信できるものと判りました。
その上で私は、地元のスーパーマーケットで普通に購入できる「大豆ミート」を購入して、食べてみたのです。(実は、いままで試してみたことがありませんでした)。
読者のみなさんはもうとっくに買って食べていたかも知れないし、テレビの食レポ番組などでも盛んに取り上げてレポーターが同じ感想を発信していたりしますが、「これは、もう、肉そのもの」という驚きの食感でした。
これがもっと普及しはじめたら、わざわざ、牛や豚や鶏の組織を買って食べる必要は無い! と確信さえできるクオリティでした。
ただ残念なことに、これはまだまだ「もっと普及したら」の段階に達していないことも、判明しました。
スーパーマーケットの棚でも品揃えは、とても貧弱です。
さらに「代用肉」であるはずなのに、価格がちっとも安くありません。
牛のステーキ肉コーナーの品よりは若干安いかも知れませんが、庶民向けの「豚肉コーナー」や「鶏肉コーナー」の品より割高です。
きっと、まだ需要量と生産量が十分でなく、量産によるコストダウンができる段階に達していないのでしょう。
マーケティング理論で言うところの「キャズム」を超えていないのだと考えられます。
ご存知のように、キャズムを超えるための重要な要素は、製品ユーザビリティのさらなる向上と、認知向上のための販促・宣伝アプローチの錬磨です。
大豆ミートが世界を救うためには、まだまだ精進が必要なようです。
しかし、その日は遠くないでしょう。
大豆ミートのクオリティはすでに相当に高められていますので。
…と。
「世界を救う」というテーマで、大豆ミートで気がついたことを書き記してみましたが、ウクライナの惨状へ思いを戻すと、こんなことを書いていていいのだろうかという気にもなります。
島国、日本では、11年前の3.11.をも彷彿とさせる地震が同じ東北地方を襲ったばかりです。
現地では住むところもインフラも損なわれたままで、とても日常の生活を送ることが出来ないままです。
折しも東京では昨日3月20日に、この2022年のソメイヨシノ開花宣言が出されましたが、世界を日本を見渡すに、まだまったく “サクラサク” にはなっていないのが哀しく切なく思えるばかりです。