ポイ活を楽しむ時代ですか

経済界や産業界をも巻き込んで、世の中の構造が劇的に変化し、大金融機関の商いもだんだん世知辛くなっている、という憤りを前回のコラムで取り上げさせていただきました。
「手数料」を巡る 改悪 への憤りです。

小市民根性まる出しの私が細かい手数料に腹を立てた、というケチ臭いお話ですが、今回は支払う小銭ではなく、手に入る小銭に思わず心躍ってしまっている、という逆の意味でケチ臭い話題です。

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お金を使うと、お金が還ってくる。
そんなおかしな商習慣がすっかり定着しているのが、昨今の「バーコード決済(いわゆる、ホニャララペイ群)のポイントバック/キャッシュバック」の類です。
いまや、ポイントを貯めることが個人消費活動のベースになりつつある「ポイ活」の時代ということもできるのではないでしょうか。

ソフトバンクグループ陣営の「PayPay」が4年程前にサービスを導入し始めた時に 100億円あげちゃうキャンペーン とか行っているのを見て、これは(気が狂っている)のではないかと感じたものでした。

私の周囲の人たちで、比較的新しいモノ好き、新しいコト好きの人たちはこぞってこのキャンペーンに乗っかって
早く始めた人ほど得なんだよ!
たくさんお金を使うほど還元率が高くなるんだよ
でも還元金の上限があるから、とにかく早い者勝ちだよ!
…と、どんどんアプリをダウンロードして、どんどん買い物をして、ポイ活に精を出していたものです。

その様子は、1980年代後半から90年代初期のバブル全盛の時期に、「俺はどこそこの株を買ったよ」「先週だけでウン百万円儲かっちゃったよ」などと話をしていた人たちが醸し出していた空気に、ちょっと近いものを感じさせられました。
(バブルとポイ活では、金額の規模は、まあ、かなり違いますけどね (^_^; )

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斯く言う私は、その2018年当時からこの2022年に至るまでPayPayを初めとするホニャララペイのポイ活には、ついぞ手を出すことをしませんでした。

コロナ対策の一環という意味合いも含めて、日本政府がキャッシュレス決済を推奨する方向に動いたのに背中を押された際も、私は「クレジットカード」での支払にこだわり続けました。

その代わり、可能な限りあらゆる支払をクレジットカードでするようにして、現金払いを嫌うようになっていました。
クレジットカードはポイントが付く(200円買い物をすると1円還元される)
一方、現金払いは、もう今の時代では「ポイントも何もつかない」「何のメリットもない支払方法」でしかないですからね。

今や、私にとって、財布から現金を出すのは【クレジットが使えない100円ショップ】と、【地元のかかりつけ医者での医療費支払い】と、【クルマの車検の法定料金】くらいに限定されているでしょうか。

最近、100均のダイソーやセリアで、クレジットカードやnanaco払いができるようになっているのを見て感動しました。よく行く 西新宿のCan★Do がいまだにクレジットに対応していない遅れぶりであることに難儀しています。

このCan★Doもホニャララペイには各種対応しているのですが、私自身の方がこれに対応していない遅れぶりなので、この店では、いまだに現金支払いの「非・ポイ活モード」です。

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現金払いは何のポイントもつかない無駄な支払方法
クレジットカードは、200円ごとに1円が還ってくる支払方法
…などと認識しておきながら、私がクレジットより高還元率も望めるバーコード決済でのポイ活に手を出さないのは、何故か。

まず第一には
スマホでピッっとやって手持ちの金を払うことに嫌悪感があった」ということがあります。
ただ感覚的に嫌、というのではなく、使った金額を自分で把握しづらくなって、結果的に金遣いが荒くなることを恐れているのが本音です。

もちろん、バーコード決済はスマホに支払ログが記録されて、自分がどこでいついくら金を使ったか、克明に記録されているのでしょう(? ←自分で使っていないのでよくわかっていないですが

でも、私の信条として
電子に記録されたものは、いつ何時消えるかわからない
電子は消える紙は消えない
…という昭和の考え方が強く根づいています。

クレジットで買い物をしたら、そこでもらったレシートor領収書は、必ず全て持ち帰り、すべてクリッピングして保管しています。手持ちの手帳(もちろん、紙の手帳)にその金額も日々必ず書き記します。

月に一回、クレジット会社から送られてくる(or サイト上でPDFなどで配信される)利用明細書もしっかりプリントして、その内容を、手帳に書き記した{自分で書いた利用記録}と照合して、使ったものが確実に支払金額に入っているか、見覚えのない支払記録など無いか、必ず確認しています。

今の時代に効率悪いことかもしれませんが、私にはもう、このやり方を変えることはできないと感じています。

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また、そこで出てきた電子は消える。紙は消えないという考え方が、私がバーコード決済に手を出さない第二の理由に繋がります。
外出先で、スマホに依存する消費生活に慣れたくない」というのが、その理由です。

クレジットカード(や現金)を入れた財布は、自分の内ポケットにしっかり入れておけば、無くなることはありません。いつでもそこから支払を行うことができます。
スマホも、ポケットに入れておけば(そしてどこかにうっかり置き忘れたりしなければ)無くなることはないでしょう。しかし、電源残量がなくなったらそれは、支払機械として何の役にも立たなくなります。(多くの場合、落下等で破損した時や、水に入れてしまった時も、支払生活としては万事休すになりますよね)

スマホはなんでもできる万能機械になっています。
しかし、そこに依存する生活になりたくない、というのが、私の正直な思いです。
アナログをなめるなよ、という気分もあるでしょうか。

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そして第三番目。
これが、ポイ活に非積極的だった、最大の理由なのですが、
支払のベースを極力、一元化したい
ポイントを貯めるプラットフォーム(?)をできる限りひとつに集約したい
あっちこっちで異なる支払をして、あっちこっちにポイントが分散しないようにしたい
…という気持ちがあります。

クレジットカードも、基本的には常にひとつのカードで払っています。
VISAやMasterCardといった世界勢力に負けずに、国内唯一の国際ブランドして国内でも最大級のシェア(←本当のシェア最大手はVISAながら)を持つ私のカードがたま〜〜に使えない店舗があるため、予備で世界勢力のクレジットカードも持っていますが、基本的にはそのブランドのカードですべて支払うようにしています。

かつて、バブルの時代には半ば見栄もあって、十数枚ものクレジットカードを財布に詰め込んでいた私ではありますが、徐々にカードを断捨離していって、いまでは2〜3枚だけしか使っていません。
そのなかの1枚で支払プラットフォームを統一している形です。

しかもそれは、かつてレンタルビデオ店を展開していた会社が日本で初めて導入していた元祖ポイントサービスのカード。さまざまなポイ活利用状況調査で、日本国内で1〜2位を競うポイントサービス会社のものです。
(Pontaとか、d払いとか、WAONとか、楽天とかは全部、そのポイントサービスの後発ブランドとして出てきたものでしたよね)

もう地元のレンタルビデオ店は撤退して使えなくなってしまいましたが、そのポイントサービスを “私なりのポイ活ステージ” として利用しているものです。

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さて。
前置きが長くなってしまいましたが、そんな「ホニャララペイ嫌い」「クレジットカード一本槍」の私が、この期に及んでホニャララペイに手を出すべく、アプリをダウンロードするに至りました。

ご存知「ファミリーマート」のアプリです。
踏み切った理由は明解。
私の「マイ・プラットフォーム」であるCCC社のポイントに直結するペイだからです。

基本的に、自分の基幹クレジットカードで支払ログを一元管理できる
自分の基幹ポイントのみが貯まっていく
貯まるポイントのレートも、マイ基幹クレジットカードそのもの
…といった条件が、すべてマッチしたことが背中を押してくれました。
自分の生活圏のなかで、もっとも店舗が目につく(=足を運ぶ先に必ず店がある)のがファミマであったことも好都合でした。

CCC社はかつて私の仕事のクライアントでもありました。
恵比寿の本社で増田宗昭さんに直接お話を聞いて、その語録を社内マニュアルとしてまとめるお仕事なども給わっていました。
そんな思い出も、私の気持ちの中で働いていたかもしれません。

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そのファミマ・アプリを自分のスマホに導入したら、これでもか、これでもかという感じで、毎日のようにクーポンが送られてくるようになりました。

普通に100円、200円の飲み物やカップ麺を買って、アプリのバーコードで「ピッ」とやるだけで “スタンプ” が貯まっていく。
ダウンロードしたその日の内に、酒のつまみになるスナックが無料でもらえた。
同じく、その翌日にはスタンプが2個貯まって、夕食向けのハンバーグがタダでもらえてしまった。
今まで数年間、慎重に 慎重に 構えてきた私が、ついうっかり心躍ってしまいました。

普通に買い物をしていたら、ただ懐のお金が出ていくだけなのに、こうしたポイ活をしていくとポイント(という名前のお金)は貯まっていくし、200円、300円のものが無料クーポンでもらえてしまう。
まるで天国ではないか!とさえ思えたものでした。

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ただ、ふと我に返ってみると、「何故、こう何でもタダのように何かをもらえるのか」ということが疑問に思われてきます。
世の中に真にタダのものは、ありません。

タダのように思えるものは、実は、代わりに、私の側の何かが差し出されていて、企業側(ファミマ社やCCC社側)が【その対価】として何かを提供してくれているということになります。

そう。
それは、私の消費行動に関わる “個人情報” です。
私個人を特定されるものではないかもしれませんが、私という個人が何をどういうタイミングでどのように買っているかという情報が、企業側のマーケティングデータとして吸い上げられているわけです。

ビッグデータとか、データサイエンスとかいった言葉で処理される素材になっているのですね。

「ポイ活」の「ポイ」は、すべてその対価として、いわばご褒美のように(あるいは、データ収集のための “馬の鼻先にぶら下げられたニンジン” のように)提供されているものなのですね。

冒頭でソフトバンク陣営がPayPay導入で、「100億円」ものコストをかけて、それこそビジネス的にペイしてしまうのは、得られる対価が企業側にとって100億円以上の価値を持っていると計算しているからに他ならないはずです。
(そうでなかったら、打ち出の小槌のように金銭をばらまくビジネスが成立するはずないですから…)

この「個人情報」が現代のマーケティングの大いなるリソースになっていることは、先日の朝日新聞興味深い記事として取り上げられていました。
ソフトバンクやPaypayの事例ではなく、世界のGoogleに対して、朝日新聞記者が 「自分に関してGoogle側が取得しているデータをすべてダウンロードする申請」を出し、実際にそれらの膨大なデータを取り出して見てビックリした、という記事です。
Googleで検索をしていただけで 「自分がその時どういう状態で何を知る必要があってどういう検索をしてどこのどの店に行ってどういう行動をとっていたのか」……が、すべて手に取るようにわかるデータだった、という内容でした。さすが、ビックリです。

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ただ、そういった、個人情報を   “売り渡している”   事実を認識した上でも、私は、実はそれほど嫌な気持ちにはなっていません。
最近は、ファミマのアプリのみならず、マイナンバーカードをnanacoへ連携させて、キャンペーンの還元ポイントの恩恵を受け取ることもしています。

ポイントという名の小銭をもらえる生活は、実は、ありがたく思っています。
欲を言えば、1円とか2円とかでなく、5000円(ポイント)とか1万円(ポイント)とかもドーンと当たってほしいと思っています。

ホニャララペイの一覧それにしても、ポイ活ブランド(=ホニャララペイ)の種類、多すぎません? かつて乱立していたパソコンOSが、WindowsとMacOSの2本だけに集約されたように、10年後くらいにはもっと淘汰、もとい集約されてほしいと思います。