突然やってきてしまった!という感じで、世の中で「ChatGPT」というモノの名前が出回り始めました。
もちろん、それを「突然」のように感じるのは、私の不勉強さゆえであり、この世界で鋭いアンテナを持っている人たちには、もうとっくに動向をご存知だったのだろうと思います。
アンテナの鈍い私が、この名前を知ったのは、この2023年2月の中旬。
NHKが特集して取り上げてくれたのを見た時でした。
たしか、毎日夕方に放送している『首都圏ネットワーク』だったと思います。
それを見て以来、私の周りでも、急にChatGPTのことを話す人が急増しました(と私には感じられました)。
一緒に記事作りをしているA氏から
「ChatGPTを試しに使ってみたけど、思った以上にちゃんとした原稿つくってくれる」
「タカサワさんも、使ったら、原稿作成の効率アップ、図れるんじゃね?」
と言われました。
古い仕事仲間B氏と、十数ヶ月ぶりに街で飲んでた時に
「え、まだ使ってないの?もったいないよ」
「今すぐ、今日家に帰ったらすぐ、登録すべきだよ」
とも言われました。
そこから先は、行動心理学で言う、カラーバス効果とかカクテルパーティー効果のせいで、もう、ChatGPTのことばかりが、私の目と耳に飛び込んできます。
仕事先の若い人が、間違えて「ChatGTP」と連絡メールに書いてきたのを見ても、すぐにピンと「それはGPTだよ」などと文字訂正をできるくらいになっていました。
※ちなみに「GTP」は、私のような酒飲み人間が健康診断を受けたときに、ついに気になる「γ-GTP値」なので、こちらも目につくといえば目についてしまう文字列です。
※さらにちなみに……酒飲み人間が気にする「GTP」の方は、「ガンマ グルタミン トランスペプチダーゼ(γ-Glutamyl TransPeptidase )。
時代最先端のAI技術に由来する「GPT」は、「Generative Pre-trained Transformer(=事前に学習された(Pre-trainedな)生成的変換器)」なる意味合いとのこと。覚えやすいですね。
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このChatGPTは、ヒトコトでいえば、「文章の自動生成機能」です。
だから、私がいちばん最初に感じたのは、
「文章を書いて仕事にしている自分は、コイツ(ChatGPT)に仕事を奪われるのでないか」
ということでした。
情けないビビリ野郎みたいですが、本当にそう思えてしまったことは、ここで白状させていただきます。
でも、敵(ChatGPT)の正体を見きわめる前からビビっているのは、本当に情けないので、渋谷の居酒屋で前述の旧友B氏から「家に帰ったらすぐ登録すべきだよ」とアドバイスをもらったその日に、Bingを立ち上げて登録してみました。
(普段はChromeでしか仕事をしていないので、Bing、というかEdgeを立ち上げるのも、ほとんど初めての状態でした)
やってみたら、旧友が「すぐ登録すべき」と言ってくれた理由がよくわかり、要は「順番待ちしないといけない」状態であったことがわかりました。
幸い、そうそう待たされることもなく「順番」が来て、このサイトからSign up やら Log in やらをする入り口に到達することができました。

実はこの入り口からChatGPTが使える身分となるまで、若干、手こずったのですが、恥ずかしいのでそこは内緒です
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実際に使ってみると、なるほど何気に自然な原稿を自動生成してくれる。
今月に目にした報道記事では、「まだまだ未熟。ちゃんとした原稿のようで、よくみるとフェイクな情報が書き出されている」なる評論もされていましたが、私が数チャットばかり試しに質問を入れた範囲では、“無難に間違いのない日本語原稿” を生成してくれていました。
ただ、質問の入力の仕方で、「欲しかった原稿」になったり、ならなかったりすることにも気づきました。
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例を挙げます。
当ハレソラ文案企画舎のコラム記事の中でも、多くの人がオーガニック検索で見に来てくれて、ダントツのアクセス数を出している記事、『良い天気はなぜ「晴れ」か』の文章を、このAIチャットがどう書き出すかを試してみました。
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◆入力質問:
「良い天気」とは、雨が降っていない晴れのことを示すのはなぜか◆出力されたテキスト:
「良い天気」という表現が晴れの天気を示すのは、人々が晴れた日に楽しい活動をすることができるからです。例えば、ピクニックや野外でのスポーツなど、屋外で楽しめる活動は晴れた日にこそ行われることが多く、雨の日にはできなくなってしまうことが多いため、晴れた日は「良い天気」と感じられるのです。また、降水量が少なく、雨が降らない天候は農作物にとっても好ましい条件であり、農業に従事する人々にとっても「良い天気」と捉えられます。さらに、晴れた日は日光浴や散歩など、健康に良い活動をすることができるため、「良い天気」と表現されることが多いのです。
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なるほど、間違いはない。きちんと日本語として読める。
ただ、別に面白くは、ないですよ、ね。
次に、若干、質問の仕方を変えて、再度、テキストを生成してみました。
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◆入力質問:
雨が降っていない状態を「良い」天気というのはなぜか◆出力されたテキスト:
「良い天気」という言葉は、一般的に晴天や曇りなどの天気が良い状態を指します。これは、多くの人が晴天や曇りの天気を快適であり、日常生活に支障がなく過ごしやすいと感じるためです。
また、雨が降らない状態は、農業や植物の生育にとっては不利であり、水不足や干ばつにつながることがあるため、不安定な天気とされることもあります。
ただし、特定の人や特定の状況によっては、雨が降っていない状態が好ましい場合もあります。たとえば、野外でのスポーツやイベントの開催など、雨が降らない方が好ましい場合があります。したがって、「良い天気」とは、一般的な意味合いで晴天や曇りの天気を指す場合が多いものの、人や状況によって評価が変わる場合があると言えます。
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こうなると文章の流れも、ちょっと “雲行きが怪しく” なってきます。第2段落が「また」という接続詞で繋がるところなど、ちょっと不自然な気がします。
全体として書いてあることは間違いではないけど、でも、質問した内容に対して、膝を打つような回答は得られていないようなモヤモヤ感が残ります。
もう一回、さらに質問の方向を変えて、文章生成を命じてみました。
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◆入力質問:
雨の日を「良い天気」という人がいてもおかしくないのではないか◆出力されたテキスト:
一般的には、雨の日は「悪い天気」と見なされます。しかし、そのような見方は個人の好みや文化、地域、経験、状況によって異なる場合があります。例えば、砂漠の地域では雨は恵みの象徴として歓迎され、雨の日は「良い天気」と見なされることがあります。
また、雨が降ると土地や植物にとって非常に重要な水を供給することから、農業や林業に従事する人たちは雨を喜ぶことが多いです。
さらに、雨が降ると外で遊ぶことができなくなるため、家にこもって読書や映画鑑賞など、室内で楽しむことができる人たちは雨の日を楽しむことがあります。したがって、個人の文化や状況によっては、「良い天気」と見なすことができる場合があります。ただし、一般的には雨は「悪い天気」と考えられることが多いため、混乱を避けるためには、文脈に応じた適切な表現を使用することが重要です。
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ここまでやって、かなりわかりました。
AIは……ChatGPTは「正論」を書き出すのが得意なのです。
ただ、「正論」ばかり話している生身の人間が面白くないのと同様に、ChatGPTは、現段階では「面白みのある文」は生成できる段階にない、という状況のようです。
私が自分で書いたコラムを、自分で「面白みがある」などというのもおこがましいですが、前述のコラム『良い天気はなぜ「晴れ」か』に対する解答を記した、もうひとつのコラム『チコちゃんはもうやめます』は、少なくとも、ChatGPTが書き出した「正論」よりは、ウンウンなるほどね、と読み進んでもらえるような気がします。
※ちなみに、この『チコちゃんはもうやめます』も、当ハレソラコラムの中でトップクラスのアクセス数を持つ、人気記事です。
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「少なくとも現段階では」という注釈付きですが、ChatGPTでは、私のような人間がウンウンいいながら書き上げる原稿が、そのままアウトプットされてくるわけではない!ということがわかりました。
少なくとも、読む人を「ニヤリとさせる」テキストは生まれてきません。
それは、このAIが、皮肉を込めた表現や、感情に働きかける文章を作ることを、まだ学習していないせいかもしれません。
さらに(ニヤリをさせるだけでなく)読んだ人の心を動かし、行動変容を起こさせるコピーライティングの分野では、(まだ「正論」しかアウトプットできない)ChatGPTはまだ主役として機能することはできないと感じます。
※正論では人の心は動かせない。広告コピーライティングの世界では、これは鉄板鉄則ですので…。
これは「少なくとも現段階では」文案屋を稼業とする私には、安心材料です。
編集の方針は、まだまだ、人間が決めていかなくてはならないのです。
むしろ、「正論」となる元の文章を自動生成してくれることで、人間の私は、大分ラクになるかもしれません。
あー、人間の仕事がまだあって、よかった!!
…と、とりあえず、まだ、安堵しておきます。(いつまで安心していられるか、な?)