もうすぐ11月だというのに、日によってまだ半袖で外出できる気候が続く2024年の日本列島です。
ようやく東北・北海道地方で 雪 とか、寒さ といった天候用語が聞かれるようになってきたばかりです。
前々回の このコラム でも取り上げたように、日本(や世界の)気候はどんどん暑い方向へ向かっているようです。
そのせいか、この夏〜秋のファッション、とくに女性たちのファッションもどんどん風通しのよい方向へ向かっているのが見て取れました。
いわゆる 腹出す おへそ出す 足も出す …というファッション傾向です。


いわゆる、こういう服装。下の方は顔の表情でわかると思いますが、ChatGPTで作画してみたものです。こういうの描いてくれるんですね
私はこれを見て、おー 足の内臓 を見せまくってるな~~ と感じています。
腹見せの方など、まさに 内臓 の感覚。
はらわたを見せまくって、街なかを闊歩しているぜ! と思えて仕方ありません。
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破れているジーンズは、ファッション業界用語的に ダメージジーンズ と称されるものであることは私も知っていました。
でも、この夏にとくに目についた腹出しの服は クロップドトップス と名付けられていることは今回ググって初めて知りました。
ファッションプレスの この説明 などによると
クロップドとは「切り取られた、切り落とされた」の意。 「クロップドトップス」で、身頃をウエストや胸の辺りで切り落とした、ミドリフのような短い丈のシャツを示す
とのことです (「穀物 crop 」= 刈り取るもの=と同じ言葉のようです)。
ここでまた「ミドリフ」などという不明用語が出てきて、調べれば調べるほど謎が増えていく悪しきパターンに陥りかけていますが、これは
ミドリフ(midriff)は「横隔膜」のこと。俗に「おなか」の意味。ミドリフトップは、みぞおち(胸の下、中央のくぼみ)あたりまでの短い丈で、お腹がすっかりのぞくような特徴のある女性用の上着のこと
とのことです。(via/ 繊研新聞記事 )
ともあれ、 そんな人たちが とくに多くみられたこの2024年の夏でありました。
(「あんな人たち」はかの故・安倍晋三さんが自分の意にそぐわないカテゴリーの人を称していたネガティブワードですが、私がここで言う そんな人たち には、そうした分断的なネガティブな意図はまったく入っておりません)
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どうしてこの期に及んで、そんな人たち が増えたのかと気になって、ネット記事をググってみたら、日経クロストレンドが、 こんな分析記事 を出しているのを見つけました。
曰く、「これはZ世代の間で(20年ぶりに復活した)Y2Kファッションの一環」である、という分析です。
Y2Kは、言わずと知れた「2000年代」。
Wikipediaでは、「Y2Kファッションとは、2021年頃から台頭し始めた、2000年代の流行を取り入れたファッション」と記されています。
(ただ、2024年10月時点では、「Y2Kファッション」そのものの項目は、Wikipedia上では掲載されていないようで、この語句は 赤文字 で記されていました)
2000年代といえば、思い出すのがアムラーブーム。安室奈美恵さんがカリスマとなっていた時代でした。
そう考えると、安室さんは、たしかに腹出ししていました。
破れジーンズのイメージは、とくに強くはないですが、いまのみなさんは、それも含めて、Y2Kファッションとしてこの夏に取り入れていたのでしょう。
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それにしても、見せ見せ です。
それも、ファッション的にとんがったカテゴリーの人だけでなく、「クラスのなかの、わりとフツーな感じの中学生や高校生」のような人たちも、我も 我も と、この見せ見せファッションをしているのが、私にとって気になった点でした。
ミニスカートが流行った時代も、必ずしもすべての人がそのブームに乗っかったわけでなく、「そういった流行に敏感な」「そういう先進ファッションに臆しない」やや一部の人だけが、それをやっていたような気がします。
でも、この夏の 内臓見せ見せファッション は、そうではなかった。
フツーの中学生の女子も「ちょい丈が短くて、腹部の皮膚がチラ見えするような服」を、フツーに着こなしていました。
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これは、どうしてなのか。
どういう心理が、それほどまでの広範囲の人たちに働いたのか。
この 内臓見せ見せ が、キャズムを超えて(ファッション・イノベーターや、アーリーアダプターだけでなく)マジョリティな人たちにも広がっていったのかを、私なりに考えてみました。
(このへんのマーケティング用語はもちろん、エベレット・M・ロジャース博士によって提唱された イノベーター理論 に基づくものです (#^^#) )
破れジーンズ&腹見せトップスらによる見せ見せファッションが流行した要因は、次の6項目ではないかと推察されました。
この6項目も、ChatGPTの力を借りてまとめてみました!
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【流行の要因01】 自己表現と自信のアピールとして:
肌を見せるファッションは、得てして 身体に対する自信 や 自己肯定感 の表現として捉えられることが多いもの。
トレーニングやダイエットで体型維持に注力している人などは、なおさら。
たとえそこまでの努力はしていない人でも、特に若い世代では、SNSでの自己表現が日常的になっていて、ファッションでもその一面を反映させることが多い。
肌を見せるスタイルは「今の自分を自信を持って見せたい」という気持ちを反映しているかもしれない。
【流行の要因02】 キモチいい開放感、および自由なスタイルへの憧れ:
ダメージジーンズやクロップドトップスといったスタイルは、規範や伝統に縛られずに自分らしくいることを象徴するファッションともいえる。
この “自分らしくいる” という価値観こそ、昨今のZ世代にはとくに重視されているものでもある。
これらのスタイルは、開放感や軽やかさを感じさせ、ファッションを楽しむ一つの方法としてごくごく自然に受け入れられ、広く浸透したもの、とも考えられる。
【流行の要因03】 女性らしさやセクシーさの表現:
肌を見せるファッションには、もちろん、女性らしさやセクシーさをさりげなく表現する側面がある。
脚や腹部をあえて見せることで、セクシーな魅力をアピールすることができる。
ただ、それが一部のイノベーター層だけでなく、裾野の方の、広い層にも受け入れられたのは、この見せ見せファッションで示されるセクシーさが「過度」ではなく、「自分のために着る」「それゆえに抵抗感も少ないさじ加減」という点が大きく作用している。
誰かに見せるためというよりも、自己満足や気分を高めるための選択、という解釈もできるかもしれない。
【流行の要因04】 トレンドと集団心理:
ファッションのトレンドは多くの場合、集団心理と関連する。
周りの友人やインフルエンサーがこうしたスタイルを取り入れていると、自分も取り入れたいという気持ちになることがある。
…というか多くのファッションはそうした経緯で成立してくるものでもある。
特にSNSが大きな影響力を持つ現代では、流行りのスタイルを「試してみる」ことが自己表現の大きなきっかけとなり、そこから共感を得たり、コミュニティの中での一体感を感じることにもつながる。
「流行っていそうだから、やってみた」「やってみたらさほど抵抗感もなかった」→「なかなかいいじゃん、これ」という構図が働いているような印象がある。
【流行の要因05】 ポジティブな自己イメージの構築:
肌を見せることは、自分を受け入れて、ポジティブに打ち出すための第一歩ともいえる。
【01】の「自信をもって自分を見せたい」という気持ちに通じることでもあるが、ダメージジーンズやクロップドトップスを着ることで、自分の体型や特徴を受け入れ、それを誇りに思うことができるようになるという心理的にプラスな要素が働いているようにも考えられる。
つまり「自分の体を愛する」というメッセージ。
特定の体型を隠すことよりも、“自分を積極的に見せる” ことで、前向きなキモチに浸れるのではないか。
【流行の要因06】 美意識の変化とリラックスした美しさ:
ファッションが「上品さ」や「完璧さ」を重視していた時代から、今はもっと「くだけたナチュラルさ」や「リラックスした美しさ」を求める傾向に変化している傾向は、ある。
(ユニクロなどが作りだしている空気感もまさに、それ)
穴の空いたジーンズや腹部が見えるクロップドトップスは、作り込まれた美しさではなく、自然体の魅力を強調するスタイル。
その空気感が、女性たち(に限らず男性たちにも)いまの 時代の気分 として映って 肌を見せるファッションが浸透していったのかもしれない。
世の中のなにかに腹を立てたり、反抗したりするような かつてのロックやパンク の在り方とはまったく違う意味で、「決してとがってはいない層にも受け入れられた」のも、そうした側面によるものである可能性がある。
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…と、ちょっと真面目くさく、社会文化的な書き方・まとめ方をしてしまいましたが、そう深掘りして考えてみたくもなるくらい この夏は、“内臓” 見せ見せファッション が街にあふれていた、という印象を感じてしまった次第です。
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そうやって、端から街なかの女性たちを(いやらしい目ではなく、ポジティブに)眺めているオジサンとしては、この流行は、装っている本人達が開放的で、自分のファッションを楽しんでいるなぁ。いいよね!というキモチで受け止めていたものでした。
おなかの辺りが1〜2cmほど肌が見えるマイルドな着こなしから、「うぉ〜、そこまで破れを入れるかぁ??」と唸るような猛者(←とくに渋谷109界隈では、インバウンドな外国人さんも含めて多く見かけました)まで、さまざまでしたが、そのなかでも、「ジーンズじゃないけど、こんな見せ見せのやり方、あるかぃ!?!?!?」と驚かされた人の画像を、一枚だけ掲載して今回のコラムを締めくくろうと思います。

前から見るとシックなロングスカートだったのが、後ろ姿をみたら……これはびっくりさせられました